KYUSHU UNIVERSITY 九州大学 エネルギー研究教育機構 九州大学 エネルギーウィーク 2021

Poster Presentation ポスター発表会

 エネルギーウィーク2021の発表者は、未来のエネルギー研究を担う博士課程学生の支援・育成・発掘を目的とする「エネルギー研究教育機構博士課程学生支援プログラム」受賞者27名、ならびに「エネルギーに関する国際共同研究」を推進・加速・具体化することを支援するプログラムを実施している海外の学生・研究者4名の総勢31名です。


 音声データ から、ポスターに関する「研究の目的や実社会へもたらす効果、最終目標など」が聞けます。意見交換 から、会期中に受け付けた質問への発表者の回答を閲覧できます。ポスター発表への応援として、いいね! をいただきました。


受賞者

国際共同研究海外学生・研究者は下段に掲載

金賞-1 中石 知晃(経済学府) 37
パラメトリックフロンティア分析法による限界削減費用の推計に基づいた中国石炭火力発電所316基の戦略的なCO2及びSO2排出量削減政策
 
本研究では発電所単位の詳細な投入産出データとパラメトリックなフロンティア手法を用いて、中国石炭火力発電所316基のCO2及びSO2の排出に関する環境効率性スコア・排出削減ポテンシャル・限界削減費用の推計を行う。また、これら3つの推計値の関係性に基づき、本研究が提案するCO2排出量の最大化問題は、限られた予算内で最大の排出削減量を達成するための、発電所単位での最適な予算配分方法も明らかにする。
銀賞-2 本石 祐輝(工学府) 16
拡張π系芳香族カチオンの集積による高アニオン伝導性とアルカリ安定性の両立がもたらすアニオン交換膜型燃料電池の発展
 
アニオン交換膜型燃料電池は貴金属フリーで低コストな発電システムだが、アニオン交換膜の伝導する水酸化物イオンの伝導性や水酸化物イオンの攻撃に対する安定性が乏しく、実用されていない。本研究では、イオン伝導を司るカチオン部位に集積能をもつ拡張π系芳香族カチオンを導入することで、集積したカチオンによるイオン伝導パスを形成し、高速イオン伝導を目指し、カチオン同士が密接することで攻撃を抑制し安定性を向上する。
銀賞-3 西尾 陽(総合理工学府) 14
Naイオン電池用Cr含有ポリアニオン系正極材料の充放電反応機構解明
 
Naイオン電池の作動電圧はLiイオン電池よりも0.3 V低くなるため、Naイオン電池においては高電位にて酸化還元する正極材料が求められる。本研究では、Na3Cr2(PO4)2F3を合成し、電気化学測定により充放電特性を明らかにした。充放電反応機構の解明のため、NEXAFS測定や第一原理計算による状態密度の推定を行った結果、充放電反応においてOとCrが電荷補償を担うことが明らかとなった。
銅賞-4 Islam Mir Shariful(工学府) 13
Carbon-di-oxide utilization for fast algae cultivation
 
Microalgae have great potential for biomass production and CO2 reduction. It is 15 times more productive than any other crops. Closed photobioreactor and high-density gas dissolution method has been applied to cultivate microalgae for the first time. Using this system, captured CO2 can be dissolved on to water without any risk of exposing this greenhouse gas into the air. Biomass productivity increases about 80% more than the present circumstances.
銅賞-5 河原 康仁(工学府) 17
その場引張TEM 観察によるAl-Mg-Si 系合金の析出強化に及ぼすCu 添加の影響の解明
 
次世代自動車において、燃費の改善に関する研究が継続的に行われており、Al-Mg-Si合金が注目されている。Al-Mg-Si合金の高強度化には析出強化が有効であるが、Cu添加によって更なる高強度化が可能となる。そして、更なる高強度化へ向けてCu添加と析出強化の相関の解明が求められている。そこで本研究では、その場引張TEM観察を行うことで、Cu添加が及ぼす析出強化への影響を定量的に解明した。
銅賞-6 石田 紘一朗(生物資源環境科学府) 15
界面反応により局所的に表面改質されたセルロースナノファイバーの自己組織化
 
生物の物質生産挙動において、水環境中で微小な構成単位が合成され、自己組織化により階層構造が構築される。同時に、それに起因する独特の物性も創発される。本研究では、この「自己組織化-創発」プロセスに焦点を置く。水油界面の反応により、セルロースナノファイバー表面を局所的に化学改質し、水中で独特の集合構造形成を誘導する。この結果は外部環境(温度、極性)に応じて集合挙動を変えるユニークな性質発現につながる。
銅賞-7 SELYANCHYN Olena(統合新領域学府) 18
Sulfonic acid-crosslinked nanocellulose as a novel polymer electrolyte membrane for hydrogen fuel cells
 
Polymer electrolyte membrane fuel cells (PEMFCs) using hydrogen as fuel are efficient and clean energy generating devices. In this work we used chemical crosslinking of nanocellulose with sulfonic acid in order to achieve the required properties for PEM applications. Initial results show that crosslinking can deliver better proton conductivity, aqueous stability and mechanical properties.
奨励賞-8 池田 京(工学府) 13
固体触媒中のヒドリドが窒素還元反応に及ぼす影響の理論化学的な考察
 
窒素を還元しアンモニアを合成するハーバーボッシュ法は多大なエネルギーを消費するため、より低エネルギーでの窒素還元法の開発が求められている。近年、固体中に存在するヒドリド(H-)が固体上での窒素固定反応において電子源及びプロトン源として作用し、同反応の活性化障壁を下げると報告された。本研究では、この固体中のヒドリドが窒素還元反応に及ぼす影響を理論化学的に考察し、新規触媒設計の指針を模索する。
奨励賞-9 松川 祐子(工学府) 16
新規ニッケル-チオール錯体の簡便な作製法と硫化物前駆体としての利用
 
ニッケル(Ni)と硫黄(S)を含む錯体は、その触媒作用に加え、電気化学材料として期待されるNi硫化物の前駆体としての利用も注目されている。本研究では、Niフェニルメタンチオラートを新たに作製し、王冠状の[Ni(SMePh)2]6クラスターからなる構造を示した。この錯体粉末は、溶液からの再結晶ではなく原料などの攪拌により簡便に作製できることと、b-NiSナノ粒子に熱分解可能なことを明らかにした。
奨励賞-10 河内 裕一(総合理工学府) 16
ヘリコン波プラズマにおけるイオンセンシティブプローブ計測の検討
 
プラズマ中のイオン温度分布計測は、プラズマ乱流のみならずヘリコン波の特性を理解する上で重要な課題である。本研究では、イオン温度分布の計測に向けてイオンセンシティブプローブを作成した。このプローブは電子とイオンのラーマー半径の差を利用してイオンだけを集めてイオンのみの電流からイオン温度を推定するプローブである。本発表では、開発したプローブの特性及び推定された温度について報告する。
奨励賞-11 辻川 皓太(工学府) 25
機械学習による次世代型燃料電池材料の熱膨張率予測プログラムの開発
 
固体電解質形燃料電池(SOFC)を構成する電解質材料と電極材料の膨張率差は昇温・降温時に接合面を剥離させ、著しく電池性能を劣化させてしまう。より安定性の高い燃料電池の開発システムを実現するため、本研究では機械学習によりSOFCの電解質、電極材料の熱膨張率を予測し、熱膨張率が同程度となる材料を効率的に探索するプログラムを開発した。ポスターでは熱膨張率の予測精度および実験による検証結果を発表する。
奨励賞-12 緒方 鞠(経済学府) 26
データ包絡分析法を用いた日本のバイオディーゼル製造プラントの生産効率性分析
 
バイオディーゼル燃料(BDF)とは、廃食油を原料としたバイオマス燃料の一種である。BDFの利用は様々な環境的便益があり、特に地球温暖化防止に貢献するエネルギーとして期待されている。しかし、BDF製造は採算が取りにくいため、事業を断念せざるを得ないプラントも存在する。本研究では、データ包絡分析法(DEA)を用いて、日本にある39のBDF製造プラントの効率性を評価し、コスト削減ポテンシャルを推計した。
奨励賞-13 Rahman Md Matiar(工学府) 14
Synthesis of rice straw derived activated carbon for capturing carbon dioxide
 
Food waste (FW) refers to any food that is lost through deterioration.It contains biodegradable compositions. The openly burned waste releases CO2 into the air, which is the primary greenhouse gas source and responsible for global warming.To capture this CO2, a smart closed chamber can be considered for burning the FW. This chamber is made of adsorbent materials. This research will, therefore, concentrate on rice straw (RS) biomass-derived AC.
奨励賞-14 小林 大輝(総合理工学府) 15
プラズマ中における大域構造振動と局所乱流の相互作用の探究
 
筆者は直線装置PANTAのトモグラフィ計測で観測された孤立波振動の振る舞いを探究すべく、揺動成分を典型的発展部分(決定論的部分)と揺らぎの部分(確率論的部分)に分離する事に成功した。さらに決定論的部分の時間変化と確率論的部分のパワーの時間変化を比較した結果、相関が得られ両者の間に相互作用が存在している可能性が示唆された。本発表では決定論的部分抽出の詳細と確立論的部分との関係性について報告する。
奨励賞-15 相本 雄太郎(理学府) 14
分子性触媒による酸素生成反応の素過程抽出に基づく反応機構解析
 
私は持続可能なエネルギー社会に向け、反応において環境負荷の小さな水素、酸素、水のみが生じる「水分解反応」に注目し研究を行っている。特に、この反応のボトルネックと呼ばれる酸素生成反応をターゲットとした。この研究では、反応中間体を単離することで触媒反応の素過程を『取り出し』、電子移動機構を詳細に検討した。
奨励賞-16 Tu Hoan Phuc(工学府) 20
Synthesis of flowerlike Ce1-xZrxO2 as catalyst support for hydrogen production from biogas
 
Ce0.5Zr0.5O2 particle with flowerlike geometry was successfully synthesized by the two-step hydrothermal process developed in this study. Ni-loaded flowerlike Ce0.5Zr0.5O2 particles were dispersed in the ceramic fiber network to form a paper-structured catalyst (PSC), which exhibited high catalytic activity for biogas reforming and anti-coking property due to its unique geometry and high oxygen storage capacity (OSC).
奨励賞-17 鬼頭 みなみ(経済学府) 23
航空機の使用年数と買い替えサイクルの変化が環境と経済に与える影響
 
日本の航空部門を対象に、旅客機の平均使用年数を特定し、使用年数と機体の買い替えサイクルの変化がCO2排出量とコストに与える影響を分析した。分析結果から、環境面では機体の使用年数に上限を設け、燃費の良い機材の導入を進めることがCO2排出量削減に有効であることが分かったが、コストを考慮すると、コストに対するCO2の削減割合が少ないため、機材導入によるCO2排出量の削減は費用対効果が低いことが分かった。
奨励賞-18 山口 忠則(総合理工学府) 17
海洋数値モデルによって明らかになった2019年秋季のケンサキイカ不漁と海況との関係
 
ケンサキイカは日本海南部と対馬水道で漁獲される重要な水産資源である。既存研究から秋に漁獲される群は対馬北東の大陸棚海域で越夏した後、周辺海域に広がると考えられていた。今回の粒子追跡実験によって、当該海域の渦構造にトラップされた粒子数と漁獲量との間に高い相関が確認された。2019年秋季の不漁は、例年は見られない南下流が発生し、トラップされるはずのケンサキイカが日本海へ押し流されたことが原因であろう。
奨励賞-19 児島 富彦(総合理工学府) 15
レーザー核融合推進の実現に向けた磁気ノズルにおける磁力線からのプラズマ離脱(デタッチメント)に関する数値解析
 
地球と火星の往復を数カ月に短縮し生存圏を広げる次世代高速船の構想にレーザー核融合ロケット(LFR)がある. LFRは, 核融合で生じるエネルギーで推進剤をプラズマ化し, 強力な磁場で排出して推力を得る. 本研究ではその過程について, プラズマを構成する膨大な数のイオンと電子の運動方程式と電磁場のマクスウェル方程式に従って数値解析し, LFRの推力発生メカニズムが機能するかどうかを検証している.
奨励賞-20 RUI XIAOTIAN(総合理工学府) 14
Design, Synthesis of Carbazole Dendrimer with Doublet-Excited Luminescent Radical as Core
 
This research demonstrates radical emitters, whose emission originates from spin doublet, realizing 100% internal quantum efficiency in OLED devices. Here we designed the carbazole dendrimer with TTM radical as core. The radical will be stabilized with the steric protection and charge delocalization. It will also suppress quenching and give excellent film forming property, allowing low cost solution processed fabrication of high efficiency OLEDs.
奨励賞-21 Ahmad Hasan Elsayed Mansour Gendia(システム情報科学府) 14
Energy-Efficient Reinforcement Learning-Based UE Pairing in Non-Orthogonal Multiple Access Wireless Communication Systems
 
Non-orthogonal multiple access allows multiple user equipment to simultaneously share the same resource blocks using varying levels of transmit power. Proper pairing of users over the same resource block is critical for efficient utilization of transmission power. We propose a reinforcement learning-based scheme where user selection is accomplished by interaction between an agent and the environment to increase data rates while conserving energy.
奨励賞-22 張 馳(工学府) 14
Cross-country evidence on multi-tier electricity accessibility, perceived inequality, and subjective well-being
 
This study measures individuals’ electricity access using the World Bank’s multi-tier framework and explores how it relates to subjective well-being and perceived inequalities. The analysis employs regression models on a large-scale multinational survey dataset. The empirical results find significant differences between people in different tiers of electricity accessibility in terms of subjective well-being and percieved inequalities.
奨励賞-23 Zhang Nan(工学府) 17
Mitigation of hydrogen embrittlement by addition of ammonia impurity
 
Mitigation of hydrogen embrittlement (HE) by ammonia (NH3) mixed into hydrogen environment as an impurity was studied. Fracture toughness test was carried out in H2, N2, and mixed gases of NH3 and H2 or N2 to characterize the effect of NH3. Since NH3 has a higher affinity with iron surface than hydrogen molecule and can decompose to hydrogen and other compounds, NH3 worked as both mitigator and inducer of HE depending on testing conditions.
奨励賞-24 Yasir Arafat Hutapea(工学府) 50
Development of High Oxygen Barrier PEM for Durable PEFC Systems
 
A high oxygen barrier polymer electrolyte membrane (PEM) was successfully prepared with 600 times higher than Nafion (commercialized PEM) at 80oC and considerable value of proton conductivity. This behavior is beneficial to suppress the radical formation in PEM and improving its durability. The research has currently managed to develop high oxygen barrier PEM, but a further investigation of PEM durability for PEFC application will be conducted.
奨励賞-25 田島 正俊(統合新領域学府) 16
バッキーボウルを用いた水系Na イオン電池
 
多環式芳香族炭化水素 (PAH) は電池材料として研究が進んでいるが、六員環で構成されるもの主流である。そこで主骨格に五員環を導入し曲面π共役構造にすることでπ-π相互作用を弱め、イオンの挿入・脱離に伴う過電圧の低減が期待できるスマネントリオンに注目した。本研究ではスマネントリオンを電極活物質とした水系Naイオン電池を作成し、充放電特性評価、反応機構解明を行った。
奨励賞-26 RUPAM TAHMID HASAN(総合理工学府) 16
Characterization of Two Fumarate based MOFs for Water based Adsorption Heat Pumps
 
In this proposed study, different MOFs will undergo necessary modifications to enhance its water uptake capacity and sorption kinetics. Then the surface energy mapping of the parent and modified samples will be done for investigating the effect of modification on the components of the surface energy of the adsorbent materials.
奨励賞-27 MD RAUF UL KARIM KHAN(総合理工学府) 15
Simplified Process of In-Ga-Zn-O Thin-film transistor utilizing Selective Etching of Copper Source and Drain
 
We have developed the novel fabrication process and the device structure for an inverted staggered bottom-gate IGZO TFT simplified by etching the Cu source and drain selectively to IGZO active layer, which results in eliminating the passivation layer. We prevented the reduction of TFT performance due to the thermal diffusion of Cu atoms into the active layer by annealing before Cu deposition and by inserting Mo thin barrier layer.

国際共同研究海外学生・研究者

G-1 Milton Utwolo Alwanga (ジョモ・ケニヤッタ大学(ケニヤ)) 17
Governance Reforms and Rural Electrification in Kenya
 
The study sought to investigate the effect of governance reforms in the electricity sub-sector on access to electricity in rural Kenya. Findings show that governance reforms (decentralization and accountability) have a positive effect of rural electrification. Thus, Kenyan government should enhance these reforms to increase the pace of rural electrification. In addition, consumer participation in the sub-sector should be promoted.
G-2 Joseph Wyndham(シドニー工科大学(オーストラリア)) 14
Ethics of algorithmic decision making on the grid
 
The smart grid looms as a form of technological determinism. Everything is getting smarter, so why not the grid too? But who wins and who loses under the smart grid paradigm in which algorithms rule? My research explores the social consequence of data driven, decision making systems in electricity systems. I ask, can we mitigate the dangers posed by grid smartness while reaping the benefits? Or must we chose between a smart and a dumb grid.
G-3 Jian Wang(ルーバンカトリック大学(ベルギー)) 15
Synthesis of Unsolvated MxB12H12 (M=Na, K, Mg) by a Facile Autoclave Route
 
Metal dodecaborates is a promising new class of solid-state electrolytes,that combine high conductivity with electrochemical and thermal stability.A convenient and high purity synthetic method for MxB12H12 synthesis attracting constant interest.In this contribution,we proposed a new and facile autoclave method and we successfully synthesized three different unsolvated borates.
G-4 Peng Luo(シェフィールド大学(イギリス)) 15
A Novel Dynamic Avalanche Free Super-Junction Trench Clustered IGBT for High Power Applications
 
Dynamic avalanche (DA) phenomena pose fundamental limits on operating current density, turn-off loss and switching frequency of bipolar power devices. A DA free solution for high power density and low loss is demonstrated in Super-Junction TCIGBT. Due to the DA free performance and enhanced PMOS actions, the Super-Junction TCIGBTs are well suitable for high power density operations with a potential to operate beyond the 4H-SiC unipolar limit.